Episode1|少年時代
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農家の家系に生まれた10代目
10代目園主は1995年、雄大な自然を誇る信州の須坂(すざか)にて江戸時代から続く農家の長男として生まれた。将来は漠然と農業を継がなければならないだろうと考えていたが、若干25歳でその時がやってくるとは思いもしなかった...。
伝統的な農家ということもあり、生まれた時から農業が身近だった10代目。幼少期から祖父母が作る果物や野菜・米を食べて育ってきたので、身体の9割は自分たちで育てたもので構成されていたと言っても過言ではなかった。
遊び道具は桑やシャベルなどの農具であったり、林檎の木によじ登ったり、ぶどう棚にぶら下げたブランコで遊ぶことが何よりも楽しかった。
両親は会社員ということもあり、保育園や小学校から帰った後は、畑に行って祖父母に遊んでいてもらっていた。
農業が嫌いに...
農業は大好きだったはずなのに、小学校の高学年になるとそれは一変した。
周りの友達はプールや遊園地で遊んでいる中、10代目はお手伝いという名目で炎天下の中、農作業をしていた。そんな状況を受け入れることができず、農業が嫌いになっていった。
当時「農業はバカがやる仕事」と揶揄されていたこともあり、10代目は精一杯勉強をして農業なんかやらない、と強く決心をしたのであった。反抗期というものであった。
その決心は揺らぐことはなく、中学・高専では常に成績で上位10%に入るほど強かった。その決心はより強くなり、日本一の名門である東京大学を目指すことになったのであった...。